2011年02月09日 10:20
◆シンポジウム
テーマ「家庭、学校、地域が、今青少年のためにできること」
コーディネーター 嘉納 英明 名桜大学准教授
シンポジスト
①大城 朗 南城市立大里中学校校長・・・不登校ゼロの中学校
②古波藏 正 読谷村社会教育委員・・・みんぱくでこれまで137名の受け入れ
③池原 泰子 県警少年サポートセンター・・・大人が変われば子どもも変わる
*大城朗氏
・昨年6名いた不登校の生徒が今年4月からゼロになったのは、学校全体の先生の頑張りと地域との連携がある。「100回指導しても聞かないなら、101回指導しなさい」と伝え、また親の支援や指導にも力を入れている。毎年開催してきた、伝統芸能を学校全校生徒が参加し地域の人がサポートする「ふるさと伝統芸能祭り(ふる伝)」がある。PTAにふる伝委員会が出来、学校と地域をつないでいるのは区長や色々な地域の人たちである。自分から積極的に活動するというわけではなくても、いつでもなんでも動けますよという「待っている地域の人」がいるはずだ。小さい子に携帯電話を持たすということは「毒を飲ませているんですよ」といつも保護者に言っている。「あいさつ・ベル着・清掃」の普通のことを普通にしようと呼びかけている。学期ごとに目標を立て振り返りをさせている。体験活動を子どもにさせていく必要がある。島尻教育事務所での社会教育連絡協議会を市町村でもできないだろうか。
*古波藏正氏
・銀行の支店長を退職し、主夫となり家族を支えている。読谷村で行っている「みんぱく」をこれまでに137名受け入れてきた。家族それぞれが持ち場を持つことの大切さを実感することになった。また、みんぱくを終えた子どもたちから「ありがとう」と手紙が届くことは子どもの成長を感じられ、やりがいの一つである。家事全般を行うことで、これまでの妻の負担や世間の主婦の大変さを痛感した。PTA活動も読み聞かせも、自分が楽しむことでが子どもが楽しめるという。読谷村の社会教育委員の会議は年に2回で、顔合わせの次は決算という状況。月に一度の食事会やもっと人数も増やし、子どもや将来のために若い人も時間を割いてほしい。社会教育委員になって3年目となった。学校・地域・家庭のつながりが必要である。将来や子どもの為に色々やっていきたい。
*池原泰子氏
・農業で子どもの居場所づくりを行っている。JAの畑を使用していること(将来の農業人材を育てたい)や署長の私物の耕運機を使用できることなどが強み。取り組みで子どもたちが良い方向へ変化し、それを見て親も良い方向に変わっていっている。捕まえるたけではなく非行少年を生まない社会づくりを全国の警察は目指しているので、なにか気になる子どもについてはいつでも相談してほしい。全ての子が健やかに育つ環境を作るため、「気にかける」「愛情をかける」ということは警察だけではできないのでみなさんと協力していきたい。
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会場からの質問(浦添市社会教育委員 長田さんより)
Q:佐賀県で開催された社会教育研究大会九州大会のシンポジウムにて正平氏が登壇された。現在の社会教育は、厳しい社会教育行政の現状から離れていることについて、もう一度話をしてほしい。
A(正平氏)福岡県は社会教育報が制定されるより以前に全国初の公民館が設置された地域である。あのころの記録は「これがなければ生きていけないという」一目でわかる行事ばかりだ。(野菜の作りかた、きのこの栽培法など)今の公民館はどうか?明日公民館が無くなっても困らないような内容ばかりではないのか。社会問題を扱うとして不登校の問題も「言っても公民館は何もできないでしょ」とばかりに期待されず、また公民館は文化サークルは沢山あるにも関わらず高齢者施設で文化的なものを求めている人のところにはつなげられていないのではないか。何の役にも立っていない!筑豊でそうだと言っているのであり、当地(沖縄)がそうだとは言っていないが・・・。